フェイスブック ジャパンには、「D&Iチーム」(ダイバーシティ&インクルージョンチーム)があります。Facebookでは、「コミュニティづくりを応援し人と人が身近になる世界を実現する」を掲げ、世界中で22億人(2018/09現在)の多種多様な利用者を理解し、ミッションを達成する製品・機能をつくりだすために、性別、国籍、宗教、年齢などを問わず多様な人材を採用することで、ビジネス上の決定から昇進に至るまでさまざまな意見を取り入れることがより良い決断をすることにつながると信じています。そのためFacebookはDiversity & Inclusion (D&I)を重要視しています。
特に日本では、テクノロジー業界で働くまたは志望する女性が少ないという背景があります。そのため、女性社員にも男性社員と等しく機会が与えられること、テクノロジーを活用して長く働きやすい環境づくりに注力すること、女性のキャリア形成支援に向けた幹部や男性社員の意識を向上させることに注力しています。D&Iを推進する社内チームは8人中4人が男性です。
Facebookには、この組織が目指すように、社員の個人的な家庭環境をハンディキャップにすることなく、自身の能力を存分に仕事で生かせて、さらにプライベートも充実させられる職場環境があります。例えば、家庭では母親、職場では一社員として活躍する女性社員たち。Facebook ならではのシステムやカルチャーを通じて、企業も社員も成長し合える「WIN - WIN」な関係を構築しています。
この記事では、Facebookで活躍する3人のママの事例を紹介します。
1人目はD&Iチームの一員として活躍したAgency Partner ManagerのReikoさん。彼女は、Facebookの制度と比較する上で、出産・育児とキャリアの両立の大変さや、育児期間中に止まってしまう自身のキャリアに対する憂慮、男女で同じ成果を出しても男性の方が高く評価されがちな日本の社会構造など、日本の企業で活躍する既婚女性の多くが感じていると思われる現状を挙げ、その上でFacebookでの状況も説明してくれました。
「同僚、上司部下がお互いの状況を理解し、支え合うカルチャーがあれば、社員は業務でパフォーマンスを出すことに集中することができ、結果として組織は強くなります。そのような企業文化を発展させていくために、D&Iチームでは、さまざまなセッションを行なっています」
その例として挙げてくれたのがBaby Leave(育児休暇)の体験を語るセッション。育児休暇を取得した社員が、その体験談を他の社員と共有し、育児を直接行った経験のない人でも理解を深めることができるという制度です。
「育児だけでなく、家族の看護・介護などさまざまな事情のある社員の現状を理解し、サポートし合えるファミリーファースト(家族優先)の文化が根付くことは、働きやすい環境作りにとって一番大切なことだと思っています」
「また、Facebookでは、『Managing Unconscious bias training』、無意識にもつバイアスに気づきを与えるというトレーニングをしています。例えば、マターナルバイアスというものがあります。お母さんになった際に周りの同僚や上司が『あの人は子育てが大変だろうから』と、大きなプロジェクトや海外出張を善意で復帰後の女性には与えないというケースも見られます。周りの優しさが却ってキャリアの障壁になりえるのです。また、育児とは関係なく、同じパフォーマンスを出している男女において、男性の方が高く評価されるというバイアスも見られます。そういうバイアスに男女問わず気づきを持ってもらえることが女性が活躍できる環境づくりにつながるのではないでしょうか?」
そのような取り組みを通して培ってきたFacebookのカルチャーを、次の2人の事例を通して紹介します。
「男女ともに4カ月の産前産後有給休暇を取得できる(2018/10現在)、フレックスタイム制度があるなど、男女の性別や子どもの有無にかかわらず、働き方の違いを当たり前に受け入れる文化が大きいと思います」と、語ってくれたのは、Client Partner Managerを務めるMayuさん。
「現在の理解のある職場と同僚と家族のおかげて楽しく仕事と家庭を両立できていると思います」と、Facebookのカルチャーが伝わるコメントもしてくれました。
自身の妊娠が分かり、いろいろと不安だったときにも、当時の上司から「女性社員が結婚、出産する際にサポートするのは、会社として当たり前のこと。社歴が浅いからと引け目に感じる必要はない」と、力強く言ってもらえて、産休に入るまで安心して仕事に集中できたといいます。また、在宅勤務の制度を誰でも自由に使える社風なので、子どもが体調不良のときにも気兼ねなく利用できると語ってくれました。
そのようなメリットは、Global AccountでBusiness Leadを務めるRuiさんも実感しています。
「前職もFacebookと同様の外資IT企業に勤めていたのですが、Facebookは子持ちママに対する理解がとても深いです」
例えば、ニューヨークにいるマネージャーと日本時間の夜にテレビ会議をするとき、自分の子どもがテレビ会議に映っても笑顔で会議を続けてくれるとのこと。Ruiさんにとって、在宅勤務とテレビ会議はとても助かる制度だといいます。
「ただママだからといって、同僚と扱いが変わることはありません。他の同僚と同じようにプレッシャーを与えられ、難題に対してどう対処するか?など、レベルの高い仕事を求められるので、子どもを持つ前と変わらず、メリハリをつけて仕事ができています」と、やりがいについても語ってくれました。
うれしかったことは、上司から「Be a role model」(他の人の模範になれ)と言われたこと。
「育児も仕事も完璧にこなすことは非常に難しいことですが、『全てに一生懸命取り組んで努力し続けたら、これから子どもを持つ可能性のある周りの女性社員にもいい影響を与えることができるので前向きに取り組んでください』と言われたとき、会社の中での自分の存在意義を感じられてうれしかったですね」
最後にリフレッシュ方法のひとつも教えてくれました。
「平日は一緒に過ごす時間が限られているので、土日は子どもと、めいっぱい遊ぶことを目標にしてます。土日を充実させることで、平日にはリフレッシュした心で再び業務に取り組めます」